創業1937年 ローゼンボア

3代目、語る。

ローゼンボア有限会社 代表取締役 高崎健人 ローゼンボア有限会社 代表取締役
高崎健人

伝統

「よく、『昔ながらがいい』っていいますけど、『昔ながら』ってなんでしょうかね?
うちは1937年から店をやっていますが、修行を終えて、僕がこの店に帰ってきたとき、やれることはまだまだあるなと思いました。
原料を見直したり、添加物の使用をやめたり、大量生産のための機械を廃棄して手作業を増やしたり、カスタードクリームを自前で炊くようにしたり、自家製酵母種を入れたり。
一方で、昔からつづいてきた、中種(パンを熟成させる製法)を使用した食パンは残したり。
いいところは残すけど、悪いところをどんどん剥いでいった。
伝統を大事にしながら、よりよいものに変える努力をして、お客さまによろこんでいただきたいと思っています」

自家製酵母

「イーストの量を減らして、ほとんどの商品にルヴァン種(自家製酵母)を入れています。
イーストが発明される前からずっとやってたような、基本的な製法。
そういう意味では『昔ながら』なのかもしれないですね。
自家製酵母の力で小麦を熟成させて、おいしいパンを作る。
日持ちがするし、薄っぺらな味じゃなくなります」

笑顔

「うちの店は、作ってるところがお客さまから見えるようになっています。
逆にいうと、パンを作る側からもお客さまが見える。
だから、お客さまに笑顔で選んでもらえるような商品を作りたい。
僕たちの仕事ってそのためにやってるわけじゃないですか。
普段やってることって、そこにぜんぶつながるんですよ。
なぜこの小麦粉を使うのか、なぜ手間がかかってもこの作り方をするのか。
ぜんぶ社員に説明できます。
お客さまに笑顔になってもらいたいから、そうするんだって。
それはパンを作ることだけじゃなくて、たとえば、お客さまが並んでるときは、作る人もレジを手伝ってお待たせしないようにしたりとか、お客さまの立場に立った接客にもつながります」